◆DSIXは、第3世代機をMJ'97年9月号、第9世代機をMJ'97年12月号、第10世代機を
MJ'98年5月号に発表しましたが、未公開情報を含めて、ここにDSIXの進化過程をまと
めてみました。
●第1世代機:コニサーADIのパロディー作品として、半分冗談で製作したDSIX1号機です。
ところが、作ってみたら意外な音質改善効果にびっくり!
それに驚き、本腰を入れて改良に取り組むことになりました。
●第2世代機:OSコンのスリーブを剥ぎ取り、電源スイッチを追放。
この世代までは、「デジタルだから」ということで部品を若干軽視して、鉄リードのOSコン
等を使っていました。
(OSコンのスリーブは、音質的に物凄く有害です!)
●第3世代機:1,000μFと470μFのOSコンを銅リードのSGタイプに替え、これらの頂部に
電波吸収体GC#16(グリーン・カーボランダム16番)を接着。
だいぶ音質が改善されたので、MJ9月号に発表しました。
●第4世代機:鉄リード品しかない1μFのOSコンを、10μFの銅リード品に変更し、音響用
セラミックコンデンサーや、金属箔抵抗器を投入しました。
●第5世代機:超高速C-MOS(TC74VHCU04F)を初採用。
フラットパッケージなので配線には苦労しましたが、超高速で、しかも端子が鉄合金ではなく
銅なので、音を聴いた途端に、もう高速C-MOSには戻れなくなってしまいました。
●第6世代機:パルス・トランスに逆巻きタイプを初採用。2次コイルの巻き方向を変えただけ
で、分解能やS/N感が顕著に改善されました。
●第7世代機:レギュレーター出力側のOSコンを、470μFから1,000μFに容量アップ。
音場がスケールアップし、音像定位の安定感も増しました。
●第8世代機:同和鉱業の6N無酸素銅線を入手したので、これをパルス・トランスのコイルに
採用。透明感や音の粒立ちが、さらに向上しました。
●第9世代機:6N逆巻きトランスに銅シールド板を追加。1次コイルと2次コイル間にシール
ド板を入れたら、デジタル臭さが一掃されました。
●第10世代機:5パラ接続となっている2段目インバーターの相互干渉を防ぐために、5個のイ
ンバーター出力それぞれに330Ωの直列抵抗を入れてからパラ接続する方式に変更。
それに加えて、初段の47kΩ帰還抵抗を100kΩに変更し、パルス・トランスのシールド板を一
回り大きくしました。
これにより、第9世代機で若干気になっていた中高域のカラーレーションが一掃され、よりナチ
ュラルで滑らかな音質になりました。